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Jリーグ 1か月前

特別指定、稲村隼翔も「びっくり」アルビレックス新潟サポーターから受けた異例の行動とは? 「そこも温かいところ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「そこもアルビサポーターの温かいところ」

「大学に入学したときから3年生でプロを決めて、4年生で(特別指定で)活躍する目標がありました。根拠のない自信とともに描いていた理想の自分と、現実の自分がようやく近づいている感覚もありますけど、こうして試合に出るたびに理想は高くなっていく。そこにまた近づけるように成長していきたい」

 第2戦への帯同が決まった状況を受けて、東洋大へは新潟サポーターからの寄付金が相次いでいる。いずれも感謝の思いが込められたもので、異例ともいえる状況が稲村の表情をほころばせる。

「自分でもびっくりしていますけど、そこもアルビサポーターの温かいところというか、素晴らしいところだと思う。自分は特別指定という立場ですけど、チームの一員として迎え入れてくれていますし、伸び伸びとプレーできるような環境を作ってくれている。自分もしっかりと期待に応えていきたい」

 国立競技場で11月2日に行われる決勝の相手は名古屋グランパスに決まった。首位・明治大学と対峙する関東大学リーグとも完全に重複するため、現時点では出場の可否は未定だ。オーストラリア代表DFトーマス・デンもアジア最終予選から復帰するなかで、稲村はこんな言葉を残している。

「自分一人の力でここまで来られたわけではないので。本当にチームのみんなに感謝しながら、決勝の舞台に立てるのであれば、いろいろな人の思いを背負って戦いたい」

 クラブ史上初の快挙がかかった大一番のピッチに立つときには、稲村は同じルーティーンを自らに課す。ピッチに足を踏み入れる直前に、FW小野裕二に背中をバチンと叩いてもらう。川崎との第1戦から行っている、闘魂注入の儀式にもたらされた心地よい感触を手土産に、ホープは再び東洋大の一員に戻った。

(取材・文:藤江直人)

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