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日本代表 1か月前

サッカー日本代表には「改善の余地がある」。町田浩樹が足りないと感じた「余裕」とは? 成長中レフティが描く理想形【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「ユニオンでもやっていた」三笘薫との約束事

 この日のサウジは想定された3−4−2−1ではなく、4−3−3(4−1−4−1)の基本布陣で戦ってきた。右サイドはウイング(WG)にアイマン・ヤヒア(23番=アル・イテハド)、サイドバック(SB)にサウード・アブドゥルハミド(12番=ローマ)という強力なタテ関係を形成。日本の左の切り札・三笘薫(ブライトン)をつぶしにきた。そのうえで、迫力ある攻めを繰り出そうと試みたのだ。

 2022年にサン=ジロワーズで三笘と共闘している町田には、三笘との阿吽の呼吸がある。それも森保監督の安心材料になっている。「『(相手が)薫より高い位置に行ったら俺はついていかないから、薫がマークをつかめ』というのは、ずっと薫とも話をしていたこと。

 裏を抜けてくる相手に対しては基本的に自分がつくという約束事でやった。その受け渡しはユニオンでもやっていたんで問題なかった。それにローマの選手は次のELでやるんで、『ここでしっかり叩いとかないとな』という気持ちがありました」と本人も野心を抱きつつ、ピッチに立ったという。

 序盤の日本は冷静なビルドアップを見せ、町田も積極的にボールに関わった。遠藤航(リバプール)・守田英正(スポルティング・リスボン)の2ボランチやシャドウの位置から降りてくる鎌田にボールを預けながらリズムを作り、前半14分の先制点につなげていく。

 このシーンで町田は左で三笘と絡みながら組み立てに関与。ボールは右に展開され、堂安律(フライブルク)が絶妙のクロスを入れた。次の瞬間、三笘がペナルティエリア内に侵入して左足で折り返し、守田がヘッド。そこに鎌田が突っ込んで左足を振り抜く形だった。

 これまで一度もゴールしていなかった鬼門・ジェッダでの初得点に、チーム全体が勢いに乗ったと言っていい。

 だが、そこからはサウジも攻撃のギアを上げ、日本は押し込まれる時間帯を強いられる。
 

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