相手のプレッシングに対する解決策
とはいえ、押し込まれる流れは超攻撃的システムにとって不都合なのは変わりがなく、自陣で奪ってもカウンターは散発。すぐにボールを失って攻め込まれることが想定される最悪の流れになりかけていた。
28分にはサウジアラビア代表の3連続シュートをブロック。2つめと3つめは、3人がシュートコースを完全に塞いで防ぎ、日本代表の守備は機敏で集中していた。42分にはスード・アブドゥルハミドの際どいシュートをGK鈴木彩艶がファインセーブ。
先制後は明確に押し込まれる悪い流れ。それを緩和したのが守田の機転だった。ポジションを下げてポゼッションを安定させ、押し返すためのベースを作った。
日本代表の3バック+2ボランチのビルドアップに対し、サウジアラビア代表は3トップ+2人のインサイドハーフ(IH)がマークして圧力をかけていた。シャドーの南野、鎌田に対しては相手のボランチ1人が対応しているが、そこへパスを供給する余裕がない。
そこで守田が3バックのラインへ下りて数的優位を確保。ボールを保持できたときに前進できる形を提示した。所属のスポルティングでこうした駆け引きに慣れている守田は、フィールド上の監督として機能していた。