より強い力を地面に加えるためには?
【動画】久保建英のカットインゴール
参照元:YouTube
久保は仕掛ける際の外脚(右)で踏み込むタイミングで、肩甲骨〜腕を振りおろす動きに合わせて、『みぞおちの前に胸を乗せる』動きと右側の『脇が下がる』動きが加わります。これらの動きが連動すると、下方向に圧がかかった状態で骨盤を介して右脚に上半身の重さが乗り、脚力にプラスして上半身の動きが連動する形になるため、バネ感のある加速が生み出される、という仕組みです。
これらの動きの際には背骨や肋骨を固めることなく、しなやかに使う必要がありますが、みぞおちと骨盤の間にあたる、腹〜腰回り、下腹部のエリアが安定していてグシャっと潰れないことが重要になります。
腹〜腰回りを取り囲む体幹の深部筋群によって構成される『コア・ユニット』の機能が中心となり、体幹部分の安定性や骨盤の動きをコントロールする『コア・スタビリティ』の能力は、『沈むバネ』を含めたサッカーのあらゆる動作の土台になるためです。重要になります。
試合後のユニフォーム交換等で上半身が裸になるシーンがメディアによく挙がりますが、久保は一見華奢に見えても、よく見ると身体の内側からパンっと張り出して見えるようなシルエットになっていて、腹〜腰回り、下腹部の筋肉はしっかり発達していると言えるのです。
カットインの速さには1歩目にあたる外脚だけではなく2、3歩目の動きも重要になります。沈み込みと同時にボールタッチした左脚は、素早く引き込むことで身体の真下へ着地し、交差する形で右脚が前に振り戻されてきます。この局面はノッキングして減速しやすく、左脚で地面に必要な力が加えられていないと、上半身が後ろに煽られたり、蹴り出しで左膝が伸び切って身体が浮き上がる動きが出て、スムーズな加速が出来なくなります。
対して、久保は身体の向きを変えながら骨盤の動きと連動して左脚で地面にしっかり力が加えられており、上半身はコア・スタビリティが効いた状態で背骨の胸椎下側のカーブ(ちょうど背番号の下あたり)からスッと反らせることで、バランスを崩すことなくスムーズな加速を可能にしているのです。