ジェズスは自信を取り戻せるか
先発出場は多くないとはいえ、コンスタントに出場機会を得ているレアンドロ・トロサールは主力と言っても良いはずだ。途中起用されたトロサールは1トップの位置にとどまらず、右や左に流れて崩しの機会をうかがい、スペースに走り込む動きを何度も見せていた。彼は決定力にフォーカスされがちだが、この献身性こそが評価の高い理由である。
ジェズスには、ここで活躍しなければならないという焦りやプレッシャーが少なからずあったはずだ。だからこそ、背後に走り込む動きが少なく、中途半端にボールを待つ動きが増えていたのではないだろうか。
前述した『football.london』の採点で、ジェズスは「チャンスを与えられたが、それを掴むのに苦労した。ボックス内での動きもサウサンプトンを苦しめず、この試合ではシュートも打てなかった。今は少し自信がなさそうだ」との寸評を受けている。
自信というのは手に入れるのが難しい。だが、きっかけさえあれば、全てが上手く進むようになることは昨季のハヴァーツが証明している。加入直後にジェズスが見せた輝きを取り戻すためには、功を焦らずチームのために走るという献身的な動きが必要だ。
(文:竹内快)