「もっと色々やりようがある」
しかし、浦和から見て右側を切るGKキム・ジンヒョンの逆をうまく突いたはずのシュートは右センターバックの進藤亮佑に当たり、ゴールの左に転々と外れて行った。小泉がその場で地面にうつ伏せれば、出し手の関根は地面を叩いて悔しさを表した。
その唯一にして最大のビッグチャンスについて小泉は「あれを決めてればっていうのは当然あるし、それはもう何だろう…、自分個人の実力不足だと思ってます」と反省しながら、もう1つの大きな問題点を口にした。
「本当にチームとしてはあの数をどれだけ増やせるか。1試合であれ1本じゃ物足りない。チームとしては。本当にもっと色々やりようがあるなと思います」
小泉は浦和に加入してから3年連続で、誕生月である10月にゴールを決めているというジンクスもあるが、それ以上に相手にリードされた終盤に投入するケースが続く中で「そこで取りたいというのはありました」と語る。
言い換えれば、ペア=マティアス・ヘグモ前監督からスコルジャ監督に代わってからも、4試合続けて途中出場という現状で、少ない時間で流れを変えて、チャンスをものにすることが小泉のミッションになっている。小泉はもともとサッカーの言語化能力に優れた選手だが、自分がピッチに立っていない時の課題というのを積極的には話したがらない。それを承知で、投入前にベンチから見て、感じていたことを聞いた。