「ミラノ市民の大多数は私と同じ考えだ」
9月24日、26/27シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝の開催地に立候補していたサン・シーロが候補から外れることが決まった。その理由は、2027年6月5日にファイナルが行われる際にサン・シーロが存在するのかどうかが不透明で、ミラノ市は開催を保証できないというものだった。
そしてその翌日には『ガッゼッタ・デッロ・スポルト』によって、現在のサン・シーロは残り、隣接する場所に新スタジアムが建設されることになるだろうと報じられた。
上院議員のイニャツィオ・ラ・ルッサ議長は、「ミラノ市は、サン・シーロを建て壊すことはできないとすぐに言うべきだった。私たちはすでにその近くに新しいスタジアムを持つことができたかもしれない。サン・シーロを取り壊さなければかなりの額を節約でき、そのうえスタジアムを残すことで賃貸収入を得ることもできる。ミラノ市民の大多数は私と同じ考えだ」とミラノ市のサーラ市長を非難。計画発表から5年の年月が経過し、何も進展していないのだから、もっともな意見だろう。
スタディオ・オリンピコを本拠地とするローマも新スタジアム建設計画を抱き、ローマ市北東の中心街からアクセスの良いピエトララータ地区を建設予定地としている。9月末には、ローマ市が建設予定地として立ち入り禁止とし、建設実現に向けて小さな一歩を見せていた。
ところが、ローマはダニエレ・デ・ロッシ解任の余波を受け、代表取締役(CEO)のリナ・スルークが辞任。新スタジアム建設に向けて奔走していた舵取り役を失う。さらに、周辺住民が建設反対の書類を民事裁判所に提出する見通しとなっており、ミラノだけでなく、ローマも新スタジアム建設の雲行きが怪しくなっている。
ローマの場合は、もし仮に着工しても、建設地から古代ローマ時代の遺跡が発掘される可能性がある。そうすると工事は一旦停滞し、発掘調査が行われることとなるはずだ。こういったことで、ローマ市内の地下鉄工事も何度も中断を余儀なくされてきた。
ミラノ市周辺では幸いこのような問題に直面することは少ないと見られるが、インテルとミランは“新しい家”の建設を実現することはできるのだろうか。
(文:佐藤徳和)
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