「らしさ」から脱却した先にあるものは…
残留争いをしている湘南ベルマーレだが、試合内容は安定してきている。結果にぶれることなく、自分たちがやるべきことに集中した結果が鹿島アントラーズ戦の大逆転に繋がったのではないだろうか。
結果が出なければ疑心暗鬼になりがちな残留争いだが、自分たちのサッカーを信じられている湘南ベルマーレはここから一桁順位を本気で目指しているかのような志の高さを見せている。
俯瞰で見ると、湘南ベルマーレの変化は非常に興味深い。大げさに表現すれば、ボール保持を基調とするスタイルに変化している。それは湘南らしさとは少しかけ離れたイメージであった。
しかし、ピッチで起きている現象は論理的で、内容も結果も悪くないものになってきている。自分たちがどの部分で勝負して尖るか! はチームの色として大事なものであることは変わらないかもしれない。
一方で、どのようなサッカーをするかを規定することは、かえって自分たちの変化をポジティブに周りに受け止められない雰囲気を生み出す危険性もある。聞いていたスタイルと違うやんけ! という声が聞こえてきてもおかしくないのが昨今の現状だろう。
ある程度の同じスタイルで結果を出し続けることは強者に許された特権であり、予算的に厳しいチームはすべての知恵とフィジカルを使って臨んでいくしかないのである。湘南ベルマーレがボール保持に手を出し、結果を出してきている意味はとても大きい。
結局のところ、必要とされているものを全部やることでしか正しく抗えないことを証明している。持たざるものこそスタイルに固執しない姿勢が他のチームにどのような影響を与えていくかは見守っていきたい。
(文:らいかーると)
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