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Jリーグ 2か月前

FC町田ゼルビアに欠けていたもの。「試合前の段階から…」守護神・谷晃生が明かしたゲームプランの崩壊【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「自分たちが考えていたゲームプランは…」

 開始わずか3分。敵陣でセカンドボールを回収したボランチ川辺駿が、右タッチライン際にいたウイングバックの中野就斗へワンタッチパスを通す。素早い切り返しでDF林幸多郎のマークをかわし、利き足と逆の左足から放たれた中野のクロスを、元ポルトガル代表のFWゴンサロ・パシエンシアが叩き込んだ。

 パシエンシアの右足ボレーが飛んでくるコースに、谷もダイブしながら反応していた。しかし、シュートはブロックしたDFドレシェヴィッチの体をかすめ、コースをわずかに右側へ変えて突き刺さった。

「立ち上がりの失点で自分たちのリズムをちょっと失ってしまった部分もありますし、自分たちが考えていたゲームプランは、失点ゼロでいく時間を長くすればするほど、自分たちにチャンスが来るというものでした。広島さんが立ち上がりにかなり強い、という傾向も織り込み済みで試合に入ったんですけど」

 いきなりの失点をこう振り返った谷は15分、DF塩谷司のスルーパスに抜け出したFW加藤陸次樹が放った決定的なシュートをスーパーセーブ。最後尾で放つ存在感を介してチームを鼓舞した。

 しかし、23分には再びゴールネットを揺らされる。またもや川辺から中野へのコンビネーションでサイドを崩され、今度は縦へ突破した中野のクロスを、ニアへ飛び込んできた加藤に巧みに流し込まれた。

 総失点数24でリーグ最少の堅守を誇る町田が、複数失点を喫するのは今シーズンで7度目。そのなかでも23分までに2失点するのは初めてだった。心の部分により問題があったと谷は振り返った。

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