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【アーセナル分析コラム】あまりに美しかった45分。ウーデゴールが不在だからこそ生み出された、新たな形とは?

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

ウーデゴールがいる時はあまり見られない形

 ここで、守るレスター側の視点に立ってみよう。彼らの中では、ホームチームの両ウイングに2枚で対応するというのが守備のルールだったはずだ。


 しかし、相手の連続的で流動的なポジションチェンジによってチームとして守備の基準が全く定まらなくなってしまった。これによって、アーセナルが波状攻撃を展開する時間帯が増えることになる。

 実際に、右サイドが起点となった先制点のシーンでは、サイドバックの動きが効果的な役割を果たしていた。サカがワイドでボールを受け取った時、ハフェルツが同選手に近づいたことでレスターの選手3人が右に引き寄せられた。

 そして、サカがカットインした瞬間にティンバーがオーバーラップを開始。オランダ代表DFは一気にハーフレーンからサイドレーンに飛び出すと、相手のライン間に鋭いグラウンダークロスを送り込み、これがマルティネッリのゴールを生み出している。このようなティンバーの動きは、ウーデゴールがピッチにいる時ではあまり見られない。

 さらに、その変幻自在な攻撃はネガティブトランジションの際にも効果を発揮した。

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