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Jリーグ 2か月前

「J1昇格? 危機感しかない」清水エスパルス、原輝綺が“恐れている”理由。J2首位キープも「やっぱりトラウマ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「サッカー選手として一番大事なところかな」

「ああなると近くのコミュニケーションで剥がすか、個で剥がすかっていうしかない。そこはもう博打じゃないですけど、リスクはつきもの」と本人も割り切って一目散に前進した、カルリーニョス・ジュニオにボールを預けたという。

 これが矢島に渡り、彼がペナルティエリア内で中に折り返した瞬間、原がまたも長い距離を走ってゴール前に侵入。GK市川暉記と交錯し、こぼれたボールをファーから飛び込んできた宮本が押し込み、待望の同点弾が生まれたのである。

「あの時間帯にゴール前まで走るのはキツイっすけど、もうキツイって言ってられない。あのシーンに限らず、攻撃でも守備の足を止めてあと一歩で勝てなかったり、負けてしまったりっていう経験があるので、そこはプロとして当たり前というか、サッカー選手として一番大事なところかな」と重要なゴールを演出した背番号70は力を込めた。

 値千金の一撃のおかげで、清水は1ポイントを確保。勝ち点を72に伸ばし、首位をガッチリキープすることに成功した。

「国立で勝てない」というジンクスを払拭するには至らなかったが、首位を守り、29日のV・ファーレン長崎の結果次第では、10月6日の水戸戦で2位以内を確定させられる可能性も出てきた。それだけこの引き分けの意味は大きかったのだ。

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