悪夢が蘇る先制点献上
勝利を目指す秋葉監督は3−4−2−1の横浜FCに対し、変則的な布陣で挑んだ。
攻撃時は4−2−3−1だが、守備時は右MFの西澤健太が下がって5バック気味になるという形だ。今季の彼らは4枚と3枚を併用。試合途中の変更も多く、チームとして柔軟な対応ができるようになっていた。その積み重ねを大一番で生かそうとしたのだ。
実際、横浜FCはサイド攻撃を何度も仕掛けてきたが、清水は粘り強い守備で応戦。右サイドバック(SB)からセンターバック(CB)に絞る形になった原も、相手左サイドの中野嘉大、小川慶次朗らを確実にマーク。前半はチャンスらしいチャンスを作らせなかった。
0−0で迎えた後半。清水はルーカス・ブラガとカルリーニョス・ジュニオを交代。攻撃のギアを上げようと試みた。
しかし、逆に56分に先手を取られてしまう。小川との連係から中野が左から上げたクロスに高橋利樹がニアで合わせ、ヘッドがクロスバーを直撃。この跳ね返りをジョアン・パウロに押し込まれたのだ。原自体は直接失点に絡んだわけではなかったが、国立の悪夢が脳裏をよぎったのではないか。
それでも秋葉監督はひるむことなく68分に3枚替えを断行。矢島慎也や宮本航汰ら攻撃力のある面々を送り出し、反撃に打って出た。その積極性が奏功したのが、74分。始まりは途中からキャプテンマークを巻いた原の思い切ったドリブルだった。