「答えはシンプル」「監督に働く時間を与えること」
ローマは今季、4試合を終えて3分1敗とスタートダッシュに失敗し、14位と低迷していた。昨季の4月22日以降の終盤戦と合わせると、リーグ戦を10試合で1勝5分け4敗。ELを含めれば1勝6分け5敗と散々な結果に終わっていた。
では、何が機能していなかったのだろうか。世界で唯一、一つのクラブに捧げる日刊紙『イル・ロマニスタ』のダニエレ・ロ・モナコ・ディレクターに尋ねた。
「当たり障りのない答えになるが、デ・ロッシは今夏、12人もの新しい選手が入り、解決策を見出そうとしていた。移籍市場で獲得した全選手と共にトレーニングをする時間はとても少なく、チームを完全に機能させることはできなかった」
「この問いに対する私の答えはシンプルだ。何かが機能しなかったというのは事実ではない。チームを上手く機能させるには、監督に働く時間を与えることが必要だ。時に結果というものは、偶然の産物でもある。エンポリ戦、ジェノア戦、ローマは勝たなければならなかった。仮にこの2試合で失った勝ち点5を獲得していれば、デ・ロッシは今もローマを指揮していただろう」
ローマの今季のリーグ初戦は、8月17日に行われた。マティアス・スーレは7月30日、アルテム・ドフビクは8月2日とシーズン開幕前に獲得しているが、それ以外の主力はほとんどが開幕後に加わった選手だ。
クアディオ・コネとアレクシス・サーレマーケルスは移籍最終日の8月30日、マリオ・エルモソは9月2日、マッツ・フンメルスは9月4日に契約を締結している。エルモソとフンメルスがチームに加入した時には、すでに第3節が消化されていた。これでは、チーム作りがスムーズに進むことは難しいだろう。
しかも、開幕直前には攻撃の柱でチームのアイドルのパウロ・ディバラの退団の可能性が強まった。最終的にサウジアラビア行きは消え、残留の運びとなったが、戦略の見直しにも迫られ、少なからずチーム作りにも影響を及ぼしたはずだ。
デ・ロッシ解任には、アタランタのガスペリーニも同情しており、『Sky Sport』のインタビューでこう答えている。
「解任に驚いている。多くのチームにとって、今季は困難を伴いスタートした。移籍市場と不合理な日程のせいで、監督たちは苦しんでいる」。シーズン開幕後、約2週間も開かれていたメルカートに苦言を呈した。そのガスペリーニも5試合を終えて12位と苦戦を強いられている。