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セリエA 2か月前

【独占情報コラム】ローマ、デ・ロッシ電撃解任はなぜ起きた。「これは確実なことだが…」繰り返されたカオスの原因

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

確かな手腕を発揮した昨季のデ・ロッシ

 当初は昨季終了までの短期契約であったが、ロマニスタたちは、レジェンドの突然の帰還に狂気乱舞した。UEFAヨーロッパリーグ(EL)では、プレーオフでフェイエノールトとの対決をPK戦の末に退けると、ベスト16では友人でもあるロベルト・デ・ゼルビが指揮するブライトンを2戦合計4-1で撃破。準々決勝では、ミランとの対決で2戦2勝。リーグ戦で2戦2敗していた相手から連勝を手繰り寄せ、セミファイナルに駒を進めた。

 準決勝では、ブンデスリーガで優勝を飾り、無敗街道を疾走していたレバークーゼンとの対戦。難敵との戦いはホームでのファーストレグを0-2で落とし、厳しい戦いを強いられたものの、セカンドレグでは81分まで2点をリード。最終的に、2-2の引き分けに持ち込まれ、大逆転劇を演じることはできなかったが、デ・ロッシが率いるローマの可能性を欧州全土に知らしめた。

 カンピオナートでは、デ・ロッシにとっての初陣となった第21節のベローナ戦で勝利し、第32節のウディネーゼ戦までに9勝2分け1敗の成績を収め、就任前の9位から、5位まで順位を上げてチームを立て直した。だが、終盤の6試合でチームは失速。1勝2分け3敗と黒星が先行し、CL出場権獲得は叶わなかった。

 それでも、クラブはデ・ロッシの手腕を評価。ダニエレが家族とシチリアでバカンスを満喫していた6月25日、新たに2027年6月30日までの3年の契約延長を発表した。報酬は3年で総額1000万ユーロ(約16億円)に上り、これはアタランタを率いるジャン・ピエロ・ガスペリーニの年俸300万ユーロ(4億8000万円)を上回るもので、デ・ロッシにローマの未来を託した契約だと思われていた。こういった高額契約もあり、デ・ロッシの解任は、まさに寝耳に水の出来事であったのだ。

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