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国内リーグや欧州カップ戦で優勝経験のあるミランは、言わずと知れた名門クラブだ。これまでの歴史の中で世界的なスター選手を数多く獲得してきた一方で、アカデミーでは埋もれてしまい、ミランを去った後に才能を開花させたケースもいくつか存在する。今回は様々な理由でミランを離れ、後に覚醒したアカデミー出身選手を紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
FW:ピエール=エメリク・オーバメヤン(ガボン代表)
生年月日:1989年6月18日
現所属クラブ:アル・カーディシーヤ(サウジアラビア)
ミラン在籍期間:2007年~2012年
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ミラン退団後に大化けした選手の筆頭格として、ピエール=エメリク・オーバメヤンの存在を思い出す人は多いかもしれない。ドイツとイングランドで得点王を獲得した稀代のスピードスターは、若手時代にイタリアで苦悩の日々を過ごした。
2007年にミランのアカデミーに加入したオーバメヤンは、同年8月にマレーシアで開催されたユース大会で6試合に出場して7得点を挙げ、得点王に輝いた。しかし、2008年にトップチームへ昇格を果たしたものの、その後はディジョン、リール、モナコへの期限付き移籍を繰り返し、2012年にサンテティエンヌへと完全移籍する形でミランと決別した。
ミランで活躍の機会を得られなかったオーバメヤンだが、2013年のドルトムント加入がキャリアの大きな転換点となる。
ユルゲン・クロップ監督によってサイドアタッカーからセンターフォワード(CF)にコンバートされると、これが大当たり。香川真司、マルコ・ロイス、ヘンリク・ムヒタリアンらと形成したカルテットは破壊力抜群で、2016/17シーズンにはリーグ戦31得点をマークしてブンデスリーガ(ドイツ1部リーグ)得点王を獲得した。
さらに、2018年に加入したアーセナルでもエースとしてチームをけん引。2018/19シーズンには22得点を記録し、プレミアリーグ(イングランド1部リーグ)でもゴールデンブーツ賞を手にしている。
結果的に、ミランはアカデミーに在籍していた大器をみすみす逃す格好となった。ドルトムントに在籍中だった2016年10月、フランス誌『Onze』のインタビューに応じたオーバメヤンは「ずっと期限付き移籍を繰り返したのは苦しかった」とミラン時代を回顧。「今はミランが自分を放出したことを多少は後悔していると思うよ」と、冗談めかして語った。