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Jリーグ 2か月前

「ずっと狙い目だった」山根陸が明かした勝利のポイント。横浜F・マリノスの攻撃陣を司る「そこは塩梅というか…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「結果がすべて」「本当に後がないと思っていた」

「今日の陸はダイレクトで僕にパスを出してくれたし、僕もエウベルが走っているところを見ていたので、彼のスピードを殺さないようにパスを出した。僕にアシストがついてよかったよ」

 屈辱的な大量失点を喫した光州戦と広島戦で、山根はともにボランチとして先発出場している。前者はフル出場したものの、後者では2-4で迎えた59分にMF榊原彗悟との交代でベンチへ下がっている。

 攻守のバランスを司るボランチとして、チームの力にまったくなれなかった2試合を介して、3度目はない、と山根は自分自身にプレッシャーを与えながら山口戦のキックオフを迎えた。退路を断つ意味で、文字通りの背水の陣を敷いて勝利だけを追い求めていたと試合後の取材エリアで明かしている。

「自分もプロである以上は結果がすべてだし、この試合で結果を出せなかったらもう厳しい、本当に後がないと思っていた。みんなも強い気持ちで臨んでいたし、それを見せられた試合だったと思っています」

 山根の縦パスがスイッチを入れて、勝ち越してからはFWヤン・マテウス、水沼、そしてロペスが立て続けにゴール。最終的には5-1の大勝で、準優勝した2017シーズン以来となる天皇杯のベスト4進出を決めた。お役御免とばかりに、59分に喜田と交代していた山根の視線はすでに次へ向けられていた。

「今日を皮切りにもっと、もっと活躍していきたい。リーグ戦であれ、カップ戦であれ、ACLであれ、すべてがマリノスにとって大事な試合というのは変わりないですし、そういった状況で今日はみんなの気持ちが、いい結果をもたらしてくれたと思っている。この勢いを次につなげられればと」

 苦戦が続くリーグ戦では現状の9位から少しでも順位をあげ、ともにベスト4に勝ち残っているYBCルヴァンカップと天皇杯では頂点だけを目指し、ACLEでは大敗発進からの巻き返しを誓う。プロ初ゴールのアニバーサリーをすでに通過点に変えて、マリノスの若きボランチは貪欲に成長を追い求めていく。

(取材・文:藤江直人)

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