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Jリーグ 3日前

「ずっと狙い目だった」山根陸が明かした勝利のポイント。横浜F・マリノスの攻撃陣を司る「そこは塩梅というか…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

J1得点王に対しても物怖じしない「そこは塩梅というか…」

「陸(山根)にいつも言っているのは、前へプレーしろ、と。前の自分に当ててくれ、と。あれだけ能力もプレーの質も高い選手なので、前へ向かう姿勢が加わればチームの強力な武器になるので」

 昨シーズンに22ゴールでJ1リーグ得点王を獲得し、今シーズンも18ゴールをあげて2位につけている、絶対的な存在のブラジル人ストライカーの要求に、山根もただ単にうなずくだけではなかった。

「もちろん常にロペスが真ん中にいるし、そこへパスをつけられる回数が多くなるほどチャンスになるのもわかっているけど、そのなかで時間帯や試合の流れを考えるのも僕の仕事なので」

「ロペスは常にボールをほしがるけど、いまはちょっと待ってくれ、という状況もある。そこは塩梅というか、ゲームコントロールという部分でそこまでを考えながら、ロペスへパスを差し込んでいければと考えています」

 このときのロペスの位置取りは、ハーフウェイラインよりも内側。センターサークルの右側で、ロペスをケアしていた山口の選手はMF田中稔也だけ。絶好の状況で、山根は迷わずに縦パスを選択した。

「ロペスが一個剥がした時点でもう完結したな、という感じでした。エウベルもさすがというか、しっかりと決めてくれたので、チームにとってすごく大きなゴールだったと思います」

 下がりながら山根の縦パスを収め、田中を引き剥がしたロペスは素早く体勢を変えて、左サイドのスペースですでにトップスピードで抜け出していたFWエウベルへスルーパスを送る。山根が縦パスを放ってからわずか8秒。電光石火で生まれた勝ち越しゴールに、ロペスも言葉を弾ませている。

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