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Jリーグ 4日前

「包み隠さず言う」ベガルタ仙台に森山佳郎監督が植え付ける“基準”。選手から見た指揮官の姿、一番嫌うのは…【コラム】

シリーズ:コラム text by 小林健志 photo by Getty Images

「頑張れば評価してくれる」選手に伝わる意図

 MFオナイウ情滋は「思っていることを包み隠さず言う人で、『この人は良かったから次の試合で使う』ということも普通に言います。頑張れば評価してくれると伝わりますね」と語る。そうして序盤はなかなか出場機会のなかったMF有田恵人、FWエロンなどを抜擢し、リーグ戦で活躍させてきた。

 

 9月21日の明治安田J2リーグ第32節ヴァンフォーレ甲府戦でも、それまで出場機会の少なかったFW中山仁斗を先発出場させると、中山は4ヶ月半ぶりのゴールを挙げた。

「シュートを打つところでつぶされる場面が多かったが、この2週間くらいはだいぶシュートまでいけるシーンが増えていて、使いどころだった」と森山監督は中山の起用理由を説明。選手の見極めが確かで、起用の理由や意図を選手に率直に言えることが、チームに良い雰囲気を生み出し、チーム状態を上向かせてきた。

 それでもJ2リーグは厳しく、良い準備をして選手が狙いとしていることを忠実に実行できたとしても、さまざまな要因で引き分けたり負けたりすることはある。元々今季の仙台は、育成型チームへと舵を切り、若手選手が増えたこともあり、飛び抜けた戦力を持っているわけではない。そんな中20年以上育成年代を指導してきた森山監督は、少しずつ選手の力を引き出しながら戦ってきた。

 森山監督が一番嫌うのは、選手がやるべきことをやり切れずに敗れることだ。

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