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J2のベガルタ仙台に森山佳郎監督が就任して約9ヶ月が経過した。トップチームの指揮を執るのは今回が初めてとなる森山監督だが、チームは現在リーグ戦5位とJ1昇格プレーオフ圏内につけている。表に出る明るいキャラクターの裏で、緻密さと確固たる基準こそが、仙台が持つ可能性を引き出す。(取材・文:小林健志)
ベガルタ仙台はどう戦い方を変化させてきたのか
森山監督はどんなスタイルのサッカーを目指しているのか、と問われるとなかなか難しい。今季の仙台はその時々に応じてスタイルを少しずつ変えながら戦ってきた。
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ただ、一貫しているのは強度と走力がベースにあること。開幕前には「昨季の仙台はフィジカル面で、走行距離や強度、スプリントの数などがJ2平均よりも下でした」と語った。森山監督はこうした具体的なデータや数字を根拠として自らの取り組みを語ることが非常に多い。
シーズン序盤は強度と走力をベースとし、コンパクトな守備組織をつくり、前からのプレスと自陣でのブロック守備をうまく使い分ける堅守のチームだった。
しかし、3月に3試合連続で0-0の試合があるなど、得点力不足に苦しみ始めると、ボールポゼッションの質の向上に取り組み始める。フロントもそこに協力し、3月に川崎フロンターレからMF松井蓮之を期限付き移籍で獲得。守備もできて、攻撃への展開もできる松井とベテランのMF長澤和輝により、攻撃もうまく回り始めた。
7月に暑さから前からのプレッシャーがうまくかけられない試合が続くと、「守備は前プレベースだったけれども、ミドルブロックも確認して両方繰り出せるようにしたい」と中断期間中にトライした少し低い位置でボールを奪う形を8月からのリーグ戦で機能させた。8月に長澤がウェリントン・フェニックスFCに移籍してしまったが、ドリブルもパスも高いレベルでこなすMF鎌田大夢をボランチで起用し始め、攻撃のバリエーションをさらに広げようとしている。
そして、調子を上げてきた選手を適切に見極め、思い切って抜擢する。