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Jリーグ 2か月前

「神様は見ていると…」清水エスパルス、秋葉忠宏監督が号泣したわけ。「普通じゃできない…」溢れ出た熱い思い【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

選手から慕われる「涙もろいおっさん」

「自分が準備してきたことに対して本当に自信をもっていましたし、ここまで積み上げてきたものをとにかく表現しよう、といった思いだけを抱いてピッチに入りました。結果は当然と言いたいですけど、やはりできすぎじゃないですかね。僕一人の力ではなく、航也のアシストもそうだし、ジェラ(住吉)も決めてくれたからこそ1得点1アシストという結果がついてきたので、チームのみんなに感謝したいと思います」

 そしてトップ下として先発し、後半途中からは最前線で攻守に奮闘した乾の笑い声を聞けば、喜怒哀楽を覆い隠そうとせず、むしろ全開にする48歳の秋葉監督がいかに選手たちから慕われているのかがわかる。

「ついさっきは『泣いていない』と言っていましたよ。ただ、ロッカーで俺らにしゃべっていた時点でもう泣いていたし、嘘をついていますよね。涙もろいおっさんなので、しょうがないですね」

 シーズン途中から秋葉監督に率いられた昨シーズンは、勝ち点わずか1ポイント差の4位に終わってJ1への自動昇格を逃した。J1昇格プレーオフ決定戦では、後半終了間際に悪夢のPKを献上。リーグ戦で3位だった東京ヴェルディと1-1で引き分け、規定により昇格への最後の1枠をも逃した。

 続投した指揮官のもとでチームスローガンに『ONE FAMILY』を掲げ、ファン・サポーターを含めて、クラブにかかわる全員で「昇格」を求め続けてきた今シーズン。終盤戦に入って6勝1分とギアをあげた清水は、前夜に大分トリニータと引き分けた横浜FCを抜き、勝ち点1ポイント差で再び首位に浮上した。

「もちろんひとつのポジションでスペシャリストになるのも大事ですけれども、これまで多くのポジションでプレーしてきた健太のような、ポリバレントでインテリジェンスのある選手も、ゲーム中にいろいろな状況を変化させやすいという点で、監督にとっては非常に貴重でありがたい存在だと感じています」

 感情ももとに戻り、落ち着いた口調で再び西澤の存在に言及した秋葉監督は、その視線を28日の次節に向けている。ホーム扱いの東京・国立競技場に迎える相手は2位の横浜FC。敵地・ニッパツ三ツ沢球技場で0-2と完敗した、5月18日の借りを返さずして前へは進めないと指揮官は力を込めた。

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