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Jリーグ 2か月前

「神様は見ていると…」清水エスパルス、秋葉忠宏監督が号泣したわけ。「普通じゃできない…」溢れ出た熱い思い【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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 明治安田J2リーグの第32節、藤枝MYFC対清水エスパルスの試合が藤枝総合運動公園サッカー場で行われ、清水が3-2で逆転勝利をした。怪我から約4カ月ぶりの復帰戦となったこの試合で1ゴール1アシストの大活躍を見せた西澤健太に対して、秋葉忠宏監督は人目を憚らず涙を流しながら最大限の賛辞を送った。(取材・文:藤江直人)

ファン・サポーターを狂喜乱舞させた8分間

西澤健太
【写真:Getty Images】

 大歓声に抗うように試合中に大声で指示を発し、檄も飛ばし続けた影響でかすれ気味となりながら、それでも記者会見場の後方までしっかりと声を届けていた指揮官が不意に言葉を詰まらせた。

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「あの……すみません。本当にすみません……涙もろくなりますね。年を取ると……」

 天井を見あげ、左手で目頭を押さえている。藤枝MYFCに3-2で逆転勝ちした第32節後の公式会見。敵地・藤枝総合運動公園サッカー場内の一室で、清水エスパルスを率いる秋葉忠宏監督が号泣した。

 秋葉監督が声をからして公式会見に臨むのは、昨年4月の就任以来で見慣れた姿となる。一方で数台のテレビカメラも回っている状況で、人目をはばからずに男泣きしたのは異例の光景といっていい。何が指揮官の涙腺を決壊させたのか。答えはエンドが変わった後半に繰り広げられた怒涛の逆転劇にあった。

 まずは52分。キャプテンのFW北川航也から、以心伝心のヒールパスを受けたMF西澤健太がそのまま藤枝のペナルティーエリア内へ侵入。迷わずに右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。

 6分後の58分に西澤がアウトスイングから放った右コーナーキックを、ファーから中央へポジションを移してきたDF住吉ジェラニレーションが会心のヘディングでゴールに変える。さらに2分後の60分には相手ボールをカットした北川がカウンターを発動させ、最後はMF乾貴士がゴール右へ流し込んだ。

 敵地の歴代最多記録を更新した1万667人の観衆の半数近くを占めた、清水のファン・サポーターを狂喜乱舞させた8分間。そのなかで1得点1アシストをマークしたヒーローの西澤は、5月19日に右肩鎖骨を骨折。懸命な治療とリハビリをへて、藤枝との静岡県勢対決で約4カ月ぶりとなる復帰を果たしていた。

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