「代表に選ばれるとなったら、海外に行かないと…」
今季の東京Vは木村と同じような他チームからのレンタル組が少なくない。山田、染野唯月、松村優太とパリ五輪代表候補に名を連ねた面々も複数いるが、全員が確実に成長している。
「1人1人が成長したいからこのチームに来ている」と山田も松村も口を揃えていたが、木村は「もう後がない。ここで失敗したら終わる」というくらいのギリギリの思いでサッカーに取り組んでいる。厳しく切磋琢磨できる環境というのも、彼らの大きな強みになっているのだ。
これだけの絶大な存在感を示していれば、近い将来の日本代表入りも見えてきそうだ。同じ2001年生まれの細谷真大(柏レイソル)より目に見える結果を残しているのだから、木村にはレベルの高いフィールドを狙う資格が十分にあるはずだ。
「でも今の自分は今年急にポッと出て活躍しているだけ。代表に選ばれるとなったら、海外に行かないとダメですし、もっとJで結果を残して尖った選手にならないといけない。ゴール数も10は行きましたけど、もっと取らないとダメだと思う。結局、フラットに見た時に目に入るのは数字。もっとそこにこだわって頑張りたいです」
ギラギラ感を前面に押し出す木村。彼のように収める力と得点力の両方を兼ね備えた大型FWはなかなかいない。その分、期待は高まる一方だ。
凄まじいポテンシャルを誇るこのFWには本気で日本代表を目指してほしい。そのためにも今季の残り試合で可能な限り、得点を重ねたいところ。ここで歩みを止めることなく、怒涛の勢いで上へ上へと上り詰めてほしいものである。
(取材・文:元川悦子)