フォワードは「ゴール前で仕事をしてナンボ」
ただ、ここまで順風満帆のように映るが、第21節の栃木戦から7試合ゴールから遠ざかり、フォワードとして責任感やチームの助けになれない苦しい時期を過ごしていた。
「チームメイトには色々、アドバイスをもらっていた」と言う小森だが、守護神・鈴木椋大はゴールキーパー目線での助言を送る。「飛絢は、すべてのタスクができる。(中盤に)落ちてボールを叩くのが上手いですし、自分がやらなければという思いも強かったと思いますが、フォワードとして仕事をして欲しいという部分はあったので、『なるべく前にいてお前が怖いところに入っていけば、相手からすれば絶対に嫌だから』と伝えました」
上手くいっていない時こそ、選手としての真価が問われるが、背番号10は戦い続けた。天皇杯ラウンド16の北海道コンサドーレ札幌戦では、今一度、自分のプレーを整理しモヤモヤする思いを吹っ切ると、中3日となった仙台戦で直ぐに結果を出した。
「フォワードは、ゴールを取ることが仕事なので、そこを追求していかなければと思いましたし、ここ数試合は色々と考えさせられました。ゴール前で仕事をしてナンボの選手にならなければいけない。もちろんビルドアップにも参加して起点になるところも上手くやっていきたいです」(小森)
それと同時にプロキャリアの中で課題として挙げてきた複数得点という問題も解決。ここから狙うのはJ2リーグ得点王とJ1昇格である。
本人が事あるごとに口にするのは「自分のゴールでチームを勝たせる」という使命だ。リーグ戦も残り6試合、終盤戦を迎えるなか、成長と進化を止めることのない小森の活躍に注目をしたい。
(取材・文:石田達也)