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Jリーグ 6日前

北野颯太「次はない」「俺やん」。セレッソ大阪9戦ぶりの勝利の裏側で、指揮官が求めたものは…【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

バトンを受け取った進藤亮佑が感じたのは…

 そして、北野からバトンを受け取ったのが進藤である。後半、1点を追う湘南は攻勢に出る。前半はサイドで数的優位を作ってサイドバックをつり出し、チャンネルの間を突く攻撃がセレッソを苦しめていたが、後半はそれに加えて両インサイドハーフがディフェンスラインの背後を取る動きを頻繁に繰り返すことでセレッソ守備陣は押し込まれていた。

 苦しんでいたのは1点をリードしていたセレッソだったが、守備がポイントになると想定していたセレッソにとっては想定内だったのかもしれない。「相手の強み、システム、立ち位置で考えて、私たちは5枚もしっかり準備していた」という指揮官の言葉通り、進藤を最終ラインに加えた守備陣は最後まで身体を張り続けた。

「流れを変える役割があったと思うし、監督もすごく期待してくれていたと思う」と指揮官の意図と期待を汲み、進藤は湘南の猛攻をしのぎ切った。

 小菊監督は「彼らはしっかりバトンを渡してくれました」と抜擢に応えた北野や喜田といったアカデミー出身選手たちをねぎらった。そして、そのバトンを受け取ったのは今季リーグ戦初出場の進藤であり、先発を外れた奥埜博亮であり、夏に加入した山﨑凌吾である。戦前に指揮官が選手たちに語り掛けていた通り、自分たちの明るい未来を自分たちでつかみ取ったのだった。

 ただ、長い目で見れば、これがセレッソの目指すものではない。「今の反省点として、あの中でしっかり守備で頑張って奪ったボールを、自分たちでコントロールできる。そういう攻撃をプラスアルファしていきたい」と課題を挙げた小菊監督。「今週は守備を徹底的にやりましたので、また攻撃、保持のところはしっかりやっていきたい」と次を見据えた。

(取材・文:加藤健一)

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