痛恨のドロー「チャンスがなかったのであれば話は別ですけど…」
「脳震盪の疑いがある交代だったので。もちろん脳震盪のプロトコルに沿って、チームと相談しながら調整してきました。前歯が2本折れましたけど、代わりに埋めているプラスチックがすぐに欠けてしまうので、インプラントを入れるためにいまは通院しています。まあ、当分はこのままかなと思います」
もっともキックオフ前の時点で19位と、J2への自動降格圏にあえぐ札幌を相手にした一戦を、町田はスコアレスドローで終えた。広島との勝ち点差こそ3ポイントに広がったものの、広島が22日の横浜F・マリノス戦で勝てば点差に関係なく、すでに得失点差で劣っている町田が再び首位の座を明け渡してしまう。
優勝を目指すうえで、何がなんでも勝ち点3が求められた状況で喫した痛恨のドロー。昌子も「率直に勝ちたかった」と本音をまじえながら、終わったばかりの90分間をこう振り返った。
「難しい試合になるのはわかっていたけど、それでも勝利をもぎ取るチャンスが……チャンスがなかったのであれば話は別ですけど、チャンスは数多くあったので、あとは決めきるところだけでした」
45分にはピンチも招いた。札幌のキャプテン、MF宮澤裕樹が自陣から放った縦パスにタイ代表のFWスパチョークが反応。ドレシェヴィッチと巧みに入れ替わり、最終ラインの裏へ抜け出した直後だった。
カバーに回った昌子が仕掛けたスライディングタックルが、スパチョークの足元から離れたボールを左タッチラインの外へ弾き出した。逆サイドには札幌のFW鈴木武蔵もフリーで走り込むなど、一瞬の躊躇が失点につながりかねない場面で、自らがくだした判断を昌子はこう振り返っている。