圧倒的に分が悪い強豪相手に逆転勝利
6分、ロレンツォ・ペッレグリーニのクロスをアンドレア・カンビアーゾが頭で折り返すと、フラッテージのヘディングシュートは惜しくもポストを叩いた。得点を挙げることこそ叶わなかったが、希望の光が差し込む、そんな華麗な攻撃だった。
そして30分、1-1の同点とする。カンビアーゾのサイドチェンジをディマルコがダイレクトではたく。これをサンドロ・トナーリが技ありのヒールでディマルコが走り込んだスペースに流すと、ディマルコがアウトサイドにかけた左足ボレーで豪快にネットに叩き込んだ。
51分には、右サイドからマテオ・レテギの正確無比なクロスをフラッテージがダイレクトで押し込み2-1と逆転。74分には、デスティニー・ウドジェのパスを2列目から切り込んだジャコモ・ラスパドーリが冷静に流し込んで追加点を奪い、3-1と見事な逆転劇で勝利を手繰り寄せた。
イタリアは1978年ワールドカップ(W杯)で、フランスを2-0で倒して以降、14回対戦してわずか2勝しか挙げられず、4分8敗(2006年W杯決勝は、PK戦での勝利のため引き分け扱い)と圧倒的に分が悪かったが、EURO2008以来の勝利を収め、連敗を3でストップ。アウェイでは1954年にパリで行われたテストマッチ以来、実に70年ぶりという白星であった。
過去のデータから見ても、最近のイタリアにとってフランスを倒すことがいかに難しい至上命令であったことが伺える。その上、開始14秒での失点。苦手とする相手に、自らハンデを課すような過ちを犯した中での、価値ある勝利であった。