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Jリーグ 2か月前

浦和レッズは“バラバラ”だった。自滅で見失った現実的な目標と募る危機感「すごく言い合ってはいましたけど…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

目標を見失うという危機感

「失点してチームが沈んだ時に、(自分自身が)リーダーシップをとってどう持っていくかが大事ですし、逆に言えばすごく言い合ってはいましたけど、ネガティブな言葉が多いとダメ。もっと盛り上げていくというところでは、ポジティブな声かけは必要だなと思いました。

 うまくいかなくてイライラしてても、何も解決はしないので。協力的にみんなが同じ方向を向いてやらないと、ああいう相手にも勝てない。自分たちがああいう事故とか無ければと思ってしまいますけど、それも実力なので。それを乗り越えて、チームを成長させていければ」

 関根がそう語るように、監督の掲げる方針をもとに、選手たちが高い意識を持って今回出た課題の改善に、トレーニングやミーティングで取り組んでいく必要がある。一方で、重くのしかかるのは今回の敗戦によって、スコルジャ監督が明確な目標として掲げた3位以内でのフィニッシュが極めて難しくなったことだ。

 2試合少ないとはいえ3位ヴィッセル神戸との差は「16」であり、元々難しい目標ではあった。しかしながら、新体制のチームが残りのリーグ戦で、同じ方向にベクトルを向けるための分かりやすい目標だっただけに、ほぼ自滅のような形で順位の近かったFC東京に敗れて、勝ち点3を手放してしまった事実は非常に重い。

 関根は「そこは本当にみんながひとつになれる要因だったので。そういうところが見えなくなってくると、またチームっていうのはバラバラに崩れてしまう」と危機感を募らせる。数字上、可能性が全く無くなった訳ではないが、現実的な目標として描きにくくなってきた。

 その中で関根は、目の前の結果にこだわることはもちろん、内容面のプロセスを大事に共有していかないと、一体感は生まれてこないと強調する。成績面での目標設計がより難しくなった今、結果と成長にどう向き合っていくのか。リーダーのひとりとして期待される関根の言葉に、一筋縄ではいかない浦和の課題を感じさせられた。

(取材・文:河治良幸)

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