18位:ミラン(イタリア)
【写真:Getty Images】
監督:パウロ・フォンセカ(1年目)
戦力値:73(攻撃力20、守備力16、選手層19、勝負強さ19)
ミランは昨シーズン限りで、2021/22シーズンにスクデットをもたらしたステファノ・ピオリ監督が退任。後任には元ローマ指揮官で、昨シーズンはリールをUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場に導いたパウロ・フォンセカを新監督に招聘した。
新体制となった今夏には積極補強を敢行している。最前線にはスペイン代表を主将としてユーロ2024(欧州選手権)優勝に導いたアルバロ・モラタとタミー・エイブラハム、中盤には長年ビッグクラブ移籍が噂されたユスフ・フォファナ、最大の補強ポイントだった最終ラインにはストラヒニャ・パヴロビッチとエメルソン・ロイヤルが加わった。
モラタとエイブラハムの加入と既存戦力の成長によって「攻撃力」はアップしたと言って良いだろう。フィニッシャーとしても起点としても優秀なオリビエ・ジルーが退団したのは痛手だが、経験と実力を兼ね備える2人のストライカーにはその穴埋めに期待がかかる。またクリスティアン・プリシッチやタイアニ・ラインデルスら2年目の選手たちは完璧にチームへと馴染んでおり、彼らの活躍もあって今季のセリエAでは開幕4試合で9ゴールとハイペースで得点を重ねている。
しかし、ゴールを奪えているのにも関わらず、リーグ戦で1勝2分1敗と勝ち切れない試合が多いのは「16」と低い数値とした「守備力」に大きな問題を抱えているからだ。昨シーズンもリーグを2位で終えながら失点の多さは10番目に多く、ディフェンスに課題を抱えていたが、監督交代後はさらに悪化。フォンセカ監督がこだわるポゼッションスタイルと選手個々の能力の相性が悪く、中途半端なパスを引っ掛けられてカウンターを喰らい、手薄な最終ラインをぶち抜かれるケースが散見している。試合中における指揮官の修正力も今のところ皆無であり、このままでは今季のCLで好成績を残すことは難しそうだ。