5位:リバプール(イングランド)
【写真:Getty Images】
監督:アルネ・スロット(1年目)
戦力値:86(攻撃力22、守備力23、選手層20、勝負強さ21)
2年ぶりのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)復帰となるリバプールは、昨シーズン限りでユルゲン・クロップの長期政権が幕を閉じ、今シーズンからはアルネ・スロット新監督の下でスタートしている。
直近のプレミアリーグでの試合こそノッティンガム・フォレストに敗れたが、早くも完成度の高いチームが出来上がっていると言って良いだろう。前任者の良いところを残しつつ、自らの色もしっかりと見せており、主力をキープできたことから戦力的には昨季からのダウンもない。不安材料はスロット好みの選手を補強できなかったことで、今夏の移籍市場ではフェデリコ・キエーザの獲得のみに留まった。
「攻撃力」に関してはモハメド・サラーとルイス・ディアスの両翼が脅威となっており、フィルジル・ファン・ダイクを中心とした「守備力」も申し分ない。スロット体制での初失点はプレミアリーグ第4節のノッティンガム・フォレスト戦で喫したものだった。クロップ時代と比較をするとビルドアップの戦術が細かく整理されており、自陣からの繋ぎでも狙った形から相手ゴールに迫ることができている。
一方で前任者の時代と比較をすると、「選手層」と「勝負強さ」の戦力値はやや下がった。主力をキープできた上に放出したのは昨季の期限付き移籍で他のクラブでプレーしていた選手とベテランのみと、戦力ダウンそのものは少ないのだが、現時点でスロット監督が信頼をしている選手はかなり少ないように見える。特にシビアなのが中盤で、ノッティンガム・フォレスト戦ではベンチメンバーよりも、右サイドバック(SB)のトレント・アレクサンダー=アーノルドがアレクシス・マクアリスターの代わりに起用された。
スロット監督がフェイエノールト時代のCLでターンオーバーを使用していないのも懸念材料だ。本人も会見でリバプールではターンオーバーを採用する可能性を示唆していたが、最初は探りながらになるだろう。また、クロップ時代は代名詞となっていた試合終了間際の同点や逆転劇が、新体制となって以降も続くかはわからない。そのため「勝負強さ」も「21」と以前との比較では低い数値とした。