6位:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
【写真:Getty Images】
監督:ヴァンサン・コンパニ(1年目)
戦力値:85(攻撃力23、守備力20、選手層20、勝負強さ20)
昨シーズンにバイエルン・ミュンヘンは、ブンデスリーガでレヴァークーゼンに屈辱の独走優勝を許してしまった。最終的にはシュトゥットガルトにも上回られて3位でのフィニッシュとなっている。
それでもUEFAチャンピオンズリーグ(CL)では欧州大会での経験と「勝負強さ」を見せつけた。昨季のベスト8では2024年に入って以降絶好調だったアーセナル相手に勝利。バイエルンの下馬評は決して高くはなかったが、総合力で上回り、レアル・マドリードとの準決勝でも王者をあと一歩のところまで追いつめた。
迎えた今シーズンはトーマス・トゥヘルが監督を退任し、ヴァンサン・コンパニが新監督に招聘された。その中でマタイス・デ・リフトとノゼア・マズラウィの両名がマンチェスター・ユナイテッドへと移籍したが、積極的な補強もあってか戦力的なマイナスはほとんどない。
特に昨シーズンも爆発的な強さをみせた「攻撃力」は依然として欧州屈指のものがある。ハリー・ケインを頂点にジャマル・ムシアラやマイケル・オリーズ、レロイ・ザネ、セルジュ・ニャブリらで構成される前線の破壊力は抜群。試合に出れば結果を残す19歳FWマティス・テルの成長も著しく、今シーズンも開幕から攻撃陣が爆発している。
「守備力」に関しては、プレミアリーグ屈指の潰し屋であるジョアン・パリーニャを加えたことで中盤のフィルター力は上がった。一方で昨季と同じくセンターバック(CB)の陣容には不安を残している。今夏の移籍市場ではシュトゥットガルトから日本代表DF伊藤洋輝を加えたが、プレシーズンマッチで中足骨を骨折してしまい長期離脱が確定。レヴァークーゼンから復帰したヨシプ・スタニシッチも怪我をしてしまったことで、結果的に昨シーズンに批判を浴びたキム・ミンジェとダヨ・ウパメカノが一番手のままシーズンが開幕した。
「選手層」にも同じことが言えるだろう。依然として最終ラインのクオリティは質と層のどちらも盤石な布陣とは言えない。昨シーズンの苦戦はシーズン中の怪我人続出が影響していたが、そもそもの「選手層」が薄かったことから特定の選手に負荷が掛かってしまい崩壊につながった。2シーズン連続で同じような過ちを犯さないためにも、コンパニ新監督のマネジメントにおける手腕も重要となる。