9位:アトレティコ・マドリード(スペイン)
【写真:Getty Images】
監督:ディエゴ・シメオネ(14年目)
戦力値:83(攻撃力22、守備力20、選手層21、勝負強さ20)
昨シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準優勝チームであるドルトムントにベスト8で敗れたアトレティコ・マドリードは、今夏の移籍市場でクラブ史に残る大型補強を敢行した。
基本的には戦力アップに成功したと言って良いだろう。アルバロ・モラタとメンフィス・デバイが去った前線には、昨季のラ・リーガ得点ランキング2位のアレクサンデル・セルロートと2022年のワールドカップ(W杯)優勝メンバーであるアルゼンチン代表のフリアン・アルバレスを獲得。CLが開幕する時点では前線の最適解を見出せていないが、「攻撃力」の戦力値は昨季よりも高い「22」とした。
中盤には監督のサッカーにピッタリとハマることが予想されるハードワーカーのコナー・ギャラガー、最終ラインには今夏のユーロ2024(EURO2024)優勝メンバーであるスペイン代表のロビン・ル・ノルマンと、経験豊富なクレマン・ラングレを加えることに成功。ディエゴ・シメオネ政権の功労者であるマリオ・エルモソやサウール・ニゲス、ステファン・サビッチらがチームを離れたが、「選手層」は引き続き厚い。
近年は志向するサッカーやタレントの変化で、かつてのシメオネ監督のチームとは違って「守備力」が最大の強みではなくなっていたが、今シーズンの開幕からの戦いを見る限りは安定している。特に今夏に加入したル・ノルマンの存在は大きく、早くもアトレティコ・マドリードに欠かせない選手となっている。
バルセロナのロナルド・アラウホやレアル・マドリードのアントニオ・リュディガーのような個人で無理が効くDFがいないことは懸念点に挙げられるかもしれないが、割り切ってブロックを敷いて守った際は組織として強さを発揮するだろう。レアル・マドリードほどとは言わないまでも、昨シーズンのCLではインテル相手にPK戦で勝利するなど、ここぞという場面での「勝負強さ」もある。新戦力がハマれば、久々のベスト4進出の可能性もありそうだ。