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世界最高峰の強者が揃うプレミアリーグにおいて、アカデミー出身選手が活躍する場は限られてきている。今夏も多くの有望株が育ったクラブを離れる決断をしているが、退団してから成功を収めた選手もこれまでに多数存在する。今回はその前例として、アーセナルを退団してから大ブレイクしたアカデミー出身選手を紹介する。
GK:エミリアーノ・マルティネス(アルゼンチン代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1992年9月2日
現所属クラブ:アストン・ヴィラ(イングランド)
アーセナル在籍期間:2010年夏~2020年夏
2023年に年間最優秀GKに贈られる「ヤシン・トロフィー」を受賞したエミリアーノ・マルティネスは、今や世界最高のGKのひとりとして名を馳せている。
所属するアストン・ヴィラでは41年ぶりのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場の立役者となり、アルゼンチン代表では2021年6月の代表デビューから出場したすべての国際大会で優勝(コパ・アメリカ2回、ワールドカップ1回、フィナリッシマ1回)を経験。アストン・ヴィラとアルゼンチン代表では、挑んだ5度のPK戦すべてで勝利しており、“チームを勝たせることができるGK”という言葉が最も似合う選手かもしれない。
そんな現在の世界最高クラスのGKは2010年夏に17歳でアーセナルへと移籍した。アカデミーでのプレーを経て2012/13シーズンにトップチームデビューを飾ったがスタメン定着とはならず、その後6つのクラブへの期限付き移籍を経験。スタメンとして継続的に出場機会を確保できたのは2018/19シーズン後半戦にプレーしたレディングが最初であり、なかなか才能が開花しないまま20代後半へと年を重ねていた。
そんなマルティネスが注目を集めるようになったのが2019/20シーズンだ。現アストン・ヴィラの監督であるウナイ・エメリの下でトップチームの構想に入ると、ミケル・アルテタが監督に就任した後半戦に正GKのベルント・レノが負傷したことで一時的に正GKへと定着。その間のパフォーマンスは素晴らしく、同シーズンのFAカップと翌シーズンのコミュニティ・シールド優勝に大きく貢献した。
しかし、怪我から復帰したレノとマルティネスの二択が迫られた際にクラブは後者を放出することを決断。結果的にそれ以降のアーセナルはタイトルを獲得することができておらず、“チームを勝たせることができるGK”の放出は近年で最も痛手となった放出と言えるかもしれない。
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