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明治安田J1リーグ第30節、アウェイで鹿島アントラーズと対戦したサンフレッチェ広島は、一時2-1とリードしながら終盤に追いつかれ、2-2で試合を終えた。今夏広島に復帰した川辺駿は「勝ち切らなきゃなかなか優勝というのは難しい」と口にする。そんな川辺が、広島を勝たせる救世主にならなければいけない。(取材・文:元川悦子)
著者プロフィール:元川悦子
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
サンフレッチェ広島は短期間で2つのタイトルを失った
【写真:Getty Images】
9月1日のJ1第29節終了時点で、暫定首位に立っていたサンフレッチェ広島。7月14日のアビスパ福岡戦からリーグ7連勝という快進撃を見せ、ラスト9戦というところで首位を走っていたFC町田ゼルビアを捉えたのである。
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ところが、9月のインターナショナルウイーク期間の4、8日に行われたYBCルヴァンカップ準々決勝・名古屋グランパス戦でまさかの逆転負け。約2ヶ月間、公式戦無敗だったチームの勢いが削がれてしまった。続く11日の天皇杯準々決勝でもガンバ大阪に1−2で黒星を喫し、彼らは短期間で2つのタイトルを失うことになったのだ。
超過密な日程編成には名将、ミヒャエル・スキッベ監督も思わず苦言。日本代表の森保一監督も改善の必要性を口にしたというが、今季に関しては受け入れるしかない。頭を切り替え、天皇杯から中2日で14日のアウェイ・鹿島アントラーズ戦に挑むことになった。
この日の広島はガンバ戦から6人が連続出場。日本代表活動から戻った大迫敬介やリーグ初先発のゴンサロ・パシエンシアらが新たにスタメンに加わり、チームに活力を与えた。
8月頭に3年ぶりに古巣復帰を果たした川辺駿もルヴァン・名古屋戦第2戦以来の先発。スタートポジションは塩谷司とボランチコンビを組む形だったが、試合が始まると塩谷がアンカー気味の位置に落ち、彼自身は高い位置をキープ。加藤陸次樹、松本泰志の2シャドーと流動的にポジションを入れ替えながら、幅広いエリアを動いて機動力を発揮するという重要タスクを担った。
こうした中、まず主導権を握ったのは広島。1トップのパシエンシアが圧倒的存在感を見せつけ、前線でターゲットになったのだ。川辺は開始13分に見せた彼へのスルーパスを筆頭に卓越した攻撃センスを見せつけた。