MF:アーロン・ラムジー(元ウェールズ代表)
生年月日:1990年12月26日
在籍期間:2019年夏~22年夏
移籍金:フリー
クラブ通算成績:70試合6得点6アシスト
アーロン・ラムジーは期待を近年のユベントスで大きく期待を裏切った選手の筆頭格だ。フリーでの獲得だが、それでも大損だったと言える取引となってしまった。
ユベントスは2019年2月、次のシーズンからラムジーが加わると発表。アーセナルとの契約が満了するところで声をかけて、早々と獲得を決めた。ただ、1年半の在籍で8度の負傷離脱もあり、イングランドで見せていたような働きはできず。次第にベンチを温める時間も増えていった。
ユベントスはラムジーをフリーで迎えるにあたって、給料を高額に設定した。その額は750万ユーロ(約10.5億円)で、ユベントスの中でもトップクラスだ。
2022年1月にレンジャーズへレンタルしたものの、完全移籍オプションは行使されず。ユベントスは22/23シーズンの年俸支払いが無駄と判断し、2023年まであった契約の解除を求めてお別れとなった。その際にもラムジーから300万ユーロ(約4.2億円)の退職金を要求されたと言われている。
MF:クリスティアン・ポウルセン(元デンマーク代表)
生年月日:1980年2月28日
在籍期間:2008年夏~10年夏
移籍金:975万ユーロ(約13.7億円)
クラブ通算成績:60試合1得点3アシスト
クリスティアン・ポウルセンはユベントスでほとんど活躍できなかった。ケガによる離脱もあったが、ピッチに立ったときも存在感は希薄で、ファンの信頼は得られずに終わっている。
「残念ながらポウルセン」。これは2008年夏にユベントスが同選手の獲得を決めた翌日の『トゥットスポルト』の一面である。ファンはポウルセンの獲得に反対してクラブに抗議もしていた。その反発を押し切る形でクラブが獲得を決めたためだ。
その後、ポウルセンはプレシーズンである程度の信頼を手にしたものの、公式戦ではパッとせず。09/10シーズンはクラウディオ・マルキージオとモハメド・シソコがケガがちで出番がめぐってきたが、チームを勝利に導くようなことはなく、2年でユベントスを離れることになった。
ポウルセンは、1年目のシーズンは上々のスタートだった。セリエA開幕から第7節までで6試合に先発。まずまずの印象を残していた。ただ、10月末の負傷で約2カ月の離脱になったあとは全く振るわなかった。あのケガがなければ、ファンの反応が間違いだったと証明できていたかもしれない。
MF:フェリペ・メロ(元ブラジル代表)
生年月日:1983年6月26日
在籍期間:2009年夏~13年夏
移籍金:2500万ユーロ(約35億円)
クラブ通算成績:78試合4得点1アシスト
フェリペ・メロは、ネガティブな補強としてファンに今も語り継がれている選手の一人だ。
2009年夏、ユベントスはフィオレンティーナで活躍していたフェリペ・メロを2500万ユーロ(約35億円)で獲得。大きな活躍が期待されたものの、ピッチでのパフォーマンスは振るわなかった。それに加えて、カッとなりやすい性格が前面に出てしまう。そのことがたびたびメディアでも取り上げられ、ファンと良好な関係を築くことができなかった。
2020年にジョルジョ・キエッリーニは自叙伝の中で、フェリペ・メロを名指しで非難。「彼はいつも敵対したがってケンカばかり。最悪だった」と酷評した。本人はすぐに反論したものの、ブラジル代表として出場した2010年ワールドカップでオランダ代表のアリエン・ロッベンを踏みつけて退場となったエピソードなどは誰もが知るところ。これまで築いてきた信頼から、周囲がどちらを支持するかは明らかだった。
プレーでも振る舞いでも、ユベントスのファンに受け入れられなかった選手だ。
MF:ジエゴ(元ブラジル代表)
生年月日:1985年2月28日
在籍期間:2009年夏~10年夏
移籍金:2700万ユーロ(約37.8億円)
クラブ通算成績:47試合7得点18アシスト
ブラジル人のジエゴは2009年夏に加入した。1シーズンで7得点18アシストはまずまずの成績に見えるが、ハズレ補強と記憶されている。
スタートは理想的だった。2009/10シーズン開幕戦で決勝戦をアシストすると、第2節ローマ戦で2ゴールを挙げて、連勝発進に貢献した。だが、その後の活躍は散発的で、時折スーパープレーを見せることがあるものの、消える時間の方が長かった。
ジエゴがいたこのシーズン、ユベントスはセリエAの最終順位が7位。チーム全体としてのパフォーマンスが冴えなかったところがあるとしても、その歯車になれなかったジエゴにも責任はあると捉えられている。
09年夏のユベントスは、ジエゴに加えてフェリペ・メロも加入した。2人のブラジル人で5200万ユーロ(約72.8億円)を投じる大胆な夏だったが、悲惨な買い物となってしまった。