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「上のステージでもできる」川﨑颯太は悔恨のパリ五輪を経て成長。京都サンガで2か月ぶり先発「それが得点につながって嬉しい」

text by 編集部 photo by Getty Images

川﨑颯太は何が変わったのか? 曺貴裁監督が評する「一番の魅力」

 右サイドに開いたCB宮本優太からの縦パスを収める。川﨑はマイナスに運んで対峙したCBエドゥアルドと距離をとりながら、反転すると同時に鋭いスルーパスを出した。フリーでDFラインの裏に抜けたマルコ・トゥーリオがゴール前に折り返すと、ファーサイドに走り込んだラファエル・エリアスが無人のゴールに流し込んだ。

「1点目のアシスト(おぜん立て)、攻撃力が彼の一番の魅力だと思う。とかく、ボールを奪う力がクローズアップされますけど、前を向いて仕掛けたり、決定的な仕事ができる」と曺監督は主将を褒めたたえた。

 川﨑にとってはパリ五輪での経験が、自身をさらに成長させたという。

「五輪から帰ってきて、ポケットに入るところだったり、間で素早くターンしたり、自分の中で今まで以上に余裕を持ってできるようになったと思うし、それが得点につながって嬉しい。前より細かい、少ないスペースでも見つけて前を向ける動きが少しずつできていると思う」

 数週間の間に、川﨑はいろんな経験をした。3月に苦杯をなめさせられたマリ代表との再戦では先制した直後の88分に投入され、PKを献上するハンドを犯した。試合後には「軽率なPKを与えてしまった。クローザーという役割として論外だと思うし、集中力を切らしてたわけではないけど、本当に情けない限りだと思います」と涙を流して悔やみ、「(チームを)救える選手にならないといけない」と言っていた。

 雪辱を期した次戦では、試合終盤に腰を強打して負傷交代となった。チームは準々決勝に進出したものの、ここでは出番がなく大会を去ることに。痛みを抱えながらの帰国となった。

 腰の状態について現在は「大丈夫です」と言う。「移動もあって少し怖かった」と話しながらも、「うまくトレーナーとかとも相談しながらできている」と答えた。一回り成長した川﨑は、2か月ぶりの先発出場となったこの試合で、チームを勝利に導く堂々たる活躍を見せいていた。

(取材・文:加藤健一)

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