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Jリーグ 2か月前

なぜFC町田ゼルビアは苦しんでいるのか? “対策への対策”でも解消できないジレンマ【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by らいかーると photo by Getty Images

FC町田ゼルビアに迫られる難しい決断

 簡単な解決策はハイプレス・ハイラインをやめることだろう。ミドルプレッシングを基本とし、ハイプレスに移行するスイッチを共有することで、町田らしさを保つこともできる。しかし、今季の方法論を進化する形ではなく、捨てる形での変化は今季の否定にも繋がりきれず、マネージメントを考慮すれば、多少の粗は放置して走り抜くことのほうが大切かもしれない。

 この部分はボール保持局面についても同じことが言える。基本はロングボールである一方で、状況によっては地上戦も志向しなければいけない。このあたりは百戦錬磨の黒田剛監督がどのように対策をするかは非常に興味深いところと言える。

 町田が抱えるジレンマは、自分たちの成功体験から少し離れる作業が必要になってきていることだ。目標が優勝でなければ、成功体験を維持して最後まで走り抜けることが正解だろう。しかし、勝点を落とせない状況ではあらゆる状況に対応しなければいけない。自分たちがどうするかは相手が教えてくれるからだ。

 それでも自分たちのサッカーを徹底することで壁をぶち破るのか、ほんの少しの柔軟さを出し入れすることで相手と向き合うかを両立させるのか。町田は今、難しい選択を迫られている。

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