ヴィッセル神戸
直近10シーズンの途中監督交代数:7回
2023シーズンに悲願のJリーグ初優勝を成し遂げたヴィッセル神戸は、監督交代回数が多いことでも知られている。2015シーズンからの途中監督交代数は7回で、2位以下を大きく引き離している。
2015年から指揮を執ったネルシーニョが2年半にわたる長期政権を築いたが、2017年以降は監督交代が続いた。この年、神戸は元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキを獲得して話題になったものの、期待された成績を上げられず、2017年8月に成績不振でネルシーニョが解任された。
2018年には元スペイン代表のアンドレス・イニエスタが加入して世界的にも注目されたが、チームの完成度を高めることに苦しんで監督交代が続き、2018年9月には吉田孝行からフアン・マヌエル・リージョに交代。2019年は、4月にリージョから再び吉田にかわり、6月にはトルステン・フィンクを招へいした。2020年9月にはフィンクが退任して三浦淳寛が後任を務めている。
監督退任の際、クラブから「家庭の事情による監督交代」と発表されることも複数回あり、全ての監督交代が神戸主導のものだったわけではないのかもしれないが、フロントの大物獲得と現場の方向性がかみ合ってないという印象を持ったファンは大勢いるだろう。フィンクの後任となった三浦は、2018年から神戸のスポーツダイレクターを務めており、ビッグネーム獲得のカギを握った人物。幹部自らが指揮を執り、クラブの再建に取り組む形となった。
その三浦体制で2021シーズンは3位に順位を上げたが、2022シーズンは序盤からうまくいかず、3月に三浦が契約解除となり、ミゲル・アンヘル・ロティーナを招へいした。それでも成績は上がらず、3カ月も持たず、6月末に契約解除が発表され、再び吉田が監督に就任。見事に立て直して神戸を残留に導くと、2023シーズンにはJ1制覇を成し遂げた。
選手獲得でも監督選びでも紆余曲折あった神戸だが、現在は、現役時代から神戸に深く関わってきた吉田監督のもとで、チームはついに結果を出した形となっている。