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Jリーグ 2か月前

「心のどこかで…」横浜F・マリノス4番手GKが明かす入り混じる感情。寺門陸、デビューまでの3年7か月を追う【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤井雅彦 photo by Getty Images

デビュー戦で力を発揮できた理由

横浜F・マリノスGK寺門陸

【写真:Getty Images】

 2点をリードした状況でスタートした後半、チームメイトがさらなるゴールラッシュで新鋭GKを援護射撃。4ゴールを追加して6-1の大勝を飾る。自身も鋭い出足で被決定機を防ぐなど、ホームゲームに駆け付けたサポーターの声援を浴びながら及第点以上のパフォーマンスを見せた。

 想像していた以上にリラックスした状態で臨めた理由がある。

「大樹さんからは『ごめんな。頼むな』と声をかけられました。ハーフタイムは緊張していた部分もあるので、長い言葉をもらっても頭に入らなかったと思うので、シンプルな声かけに助けられました。大樹さんだけはなく、選手とスタッフはみんな自信を持たせてくれる言葉をかけてくれて、ものすごく助かりました。数的優位でリードしている展開という自分にとってやりやすい状況にしてくれたチームメイトのおかげだけど、デビュー戦を勝って終われたのは自信になりました」

 念願のマリノスデビューは、21歳の若武者をさらに貪欲にする。トップカテゴリーで公式戦に出場したからこそ、目線はさらに高くなっていく。

「自分としては現状のレベルに満足してないし、シゲさん(松永コーチ)やテツさん(榎本コーチ)、大樹くん、ポープくん、楓馬くんの良いところを盗んで成長していきたいです。前半、大樹くんがいなかったら試合展開はどうなっていたか分からない。あそこを失点ゼロで抑える力は見習わないといけない。無失点で終わらないといけない試合だったので、そこは大樹くんと僕の差かなと思います」

 試合翌日のオフが明け、チームは次の試合に向けてトレーニングを再開した。寺門も普段通りのメニューをこなし、GKグループの居残り練習で大粒の汗を流す。

「これまでも、これからも、コツコツとやっていきます」

 2回目のチャンスを掴み取るために、寺門陸は今日も泥だらけのユニフォームでゴールを守る。

(取材・文:藤井雅彦)

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【了】

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