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日本代表 1週間前

「まあ、僕は勝てば…」上田綺世は冷静の中にも確かな闘志「1人しか出られないんで」サッカー日本代表エースへの歩み【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「チームメイトのプロテクトもありましたし…」

「自分の時間を作れたと思います。レーザーポインターとか相手のそういった駆け引きみたいなものは、チームメイトのプロテクトもありましたし、PKに集中して自分の中で入れたと思うので、そこまで気にはならなかったです」と背番号9はさまざまな妨害があってもブレることなく、シュートを冷静に左スミに蹴り込むことに成功する。

 中国戦で献身的なプレーを見せながら、シュートゼロに終わったエースに待望の最終予選初ゴールが生まれたことで、チーム全体が安堵感を覚えたはずだ。

 1−0になった直後には相手のキーマンである右MFのアリ・マダンが負傷退場。バーレーンの攻撃の勢いが削がれたところでハーフタイムに突入する。そこで森保一監督は前半守備に奔走していた右WBの堂安律(フライブルク)に代えて温存していた伊東純也(スタッド・ランス)の投入を決断。後半頭から送り出した。

 満を持してピッチに立った背番号14は凄まじい”イナズマ純也”ぶりをいきなり発揮する。47分の2点目はまさにその真骨頂。中央の鎌田からのパスに反応した彼はボールをダイレクトで折り返すと、これを反転から強引に右足で振り抜いたのが上田だったのだ。

「ペナルティーエリアの中で半身ずらして受けられたというか前を向けたので、シュートを打つことしか考えなかった。シュートチャンスは逃さないようにと意識していたので」とエースは淡々と振り返ったが、中国戦前に「最終予選だろうが、どこだろうが、フェイエノールトでも、どの試合でもFWが決めれば勝てる」と語気を強めていた通りの”有言実行”を体現。チームの勝利を決定づけたのである。

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