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日本代表 2か月前

強すぎるサッカー日本代表。そこには3バックの精通者の存在が?強力アタッカー陣を輝かせる的確なポジション移動。【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

3−4−2−1の精通者

 バーレーンのコンパクトな守備にバイタルエリアを消され、サイドへの展開も5バックで対応された前半の日本は、浅いラインの裏を狙っていた。それ自体は正解ではあるけれども、攻撃が散発的になって日本のリズムではなかった。

 後半に流れを変えるきっかけになったのは鎌田と守田のポジショニングである。

 前半にPKにつながるクロスボールを蹴った鎌田だが、スペースを消されてなかなかパスを受けられなかった。すると、鎌田はポジションを下げた。左右のセンターバック(CB)の横あたりまで下がる。ここまで下がると、バーレーンとしては鎌田につききるのは難しい。5バック化しているときは中盤の守備者が3人になっていて、鎌田を深追いすれば2人になってしまってスペースを埋められない。フリーになった鎌田は浅いライン裏へ伊東純也、三笘を走らせるパスを送って攻略した。

 鎌田の下がる動きに連動して、守田が前進を開始。守田がポジションを上げたことで、中央部に南野、守田、鎌田、上田が集結。中央に人を増やし、狭いエリアでも確実につなぐことで前半に攻め込むことができなかった場所を制圧した。

 ポジションを上げた守田は56分に伊東へのパスで決定機を演出。60分には上田とのワンツーで抜け出して3点目をゲット。64分にも三笘からのグラウンダーのクロスに合わせて4点目を決めた。このゴールは鎌田から裏へ走る三笘への正確なパスが起点になっている。

 守田と鎌田は所属クラブで3−4−2−1の運用に精通しているせいか、的確な打開策を見出していた。

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