ベンチからでも頼もしさを感じる「選手たちがゾロゾロと…」
「3年前にオマーンに負けたときに、日本サッカーがこれからチームとして成長していくためには、個の成長が必要不可欠だと僕は話している。個人個人が切磋琢磨しながら海外で成長を重ねて、ステップアップした選手もいれば、同じチームで高いパフォーマンスを見せ続けている選手もいる。日本人のフォア・ザ・チームの精神、チームとしてプレーする部分を全員がもち続けているなかで、個の成長がはっきりと見えている部分こそが、いまのチームの最大の強みになっているのは間違いないと思う」
交代でピッチに入った選手も、約7カ月ぶりの復帰戦となったMF伊東純也が77分にゴールを決め、87分には同じく途中出場のFW前田大然のゴールを、アディショナルタイムの95分には久保のゴールもアシストしている。ベンチで戦況を見つめていた遠藤は、頼もしさを感じずにはいられなかった。
「途中から入ってくる選手も、先発で出ている選手に劣らないようなパフォーマンスを発揮していたというか、同じようなレベルの選手たちがゾロゾロと出てくる。これは相手も嫌がると思うし、個の力にプラスして、森保監督のもとで継続してやれている、というもうひとつのメリットもありますよね」
遠藤自身も3年前に所属していたブンデスリーガのシュトゥットガルトから、昨夏にプレミアリーグの名門リバプールへステップアップ。昨シーズンの後半戦は、代役の効かない存在感を放った。
しかし、遠藤を重用したユルゲン・クロップが昨シーズン限りで退任。フェイエノールト前指揮官のアルネ・スロット新監督のもとで、先述したように遠藤は現時点で中盤のファーストチョイスにはなっていない。もっとも、不安視する周囲の視線を、遠藤は「そんなに気にはしていないですね」と笑い飛ばす。