効果的だった3バック采配
日本の3バックに対して中国は2トップ。3バックの左右に入った町田浩樹か板倉滉はフリーになる。しかし、中国は前に人を送ってフリーの町田、板倉にプレスする選択はせず、ただ4−4の守備ブロックでスペースを埋めるのみ。
町田、板倉は難なくボールを運べるので、サイドの三笘、堂安へ簡単にパスをつけられた。左サイドは三笘がまるでドリブル練習のように縦へ中へと容易にマークを外す。右は堂安と久保建英がポジションを入れ替えながら、コンビネーションからの打開を探る。
11分には久保のクロスボールから堂安がヘディングシュート。これはGKが防いでCKになったが、そのCKから遠藤航がヘディングで決めて難なく先制した。
攻守に抜群のプレーを見せていた守田英正が前進しはじめ、中央部で久保、南野拓実の2シャドーとともに厚みを出す。中国が中央に集中するとサイドへ展開し、主に左の三笘の突破でチャンスを量産する。
アディショナルタイムの47分、堂安のファーサイドへのピンポイントクロスを三笘が頭で合わせて2−0とした。
中国は守備を整えたつもりだったが、2トップの脇を自由に使われて後退。しかもゾーンを埋めているだけで全く奪いどころがない。ミスを待っていても、ほとんど日本はミスをしてくれない。押し込まれた状態で何とかボールを奪っても、たちまち日本の素早い切り替えからの守備に絡めとられる。上手くプレスを外せたとしてもゴールまでは遠く、日本とすればファウルで止めてしまえば十分。カウンターの脅威は皆無といっていい。これでどうやって日本に勝つつもりだったのかと思うくらいのワンサイドゲームとなった。