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「当時はイライラしてました」堂安律が気づいた足りないもの。「理想だけを求めていた」サッカー日本代表での変化

text by 編集部 photo by Getty Images

当時は「理想だけを求めていた」

 2011/12シーズン途中から長きに渡ってフライブルクを指揮してきたクリスティアン・シュトライヒ監督は例外なく堂安にも攻守に渡るハードワークを求めた。クラブ史上2番目に高額だった850万ユーロ(約12億円)を投じて獲得したレフティーは、その高い要求をクリアしていき、躍進の立役者の1人となった。

 22/23シーズンはブンデスリーガで33試合に出場して、5得点6アシストを記録。欠場はわずか1試合で、実に30試合が先発出場だった。昨季も欠場したのは日本代表としてAFCアジアカップに参加した期間だけで、シーズン終盤にはリーグ戦ラスト9試合で5得点を挙げる活躍を見せている。昨季終盤はウイングバックでプレーした時期もあり、守備的なタスクを求められながらも持ち味を発揮している。監督が変わった今季は、本職のウイングにポジションが戻り、開幕節でゴールを決めている。

 フライブルクやワールドカップで活躍した一方、今冬のアジアカップではベスト8敗退という苦い経験もした。「圧倒的に優勝したいという理想がある中で、理想だけを求めていた」と当時を振り返る堂安は、「泥臭くても勝ち切る。きれいなサッカーで点を取らなくてもいい」と現実と向き合う大切さを改めて感じたと言う。

 3年前に敗れた最終予選初戦で、3年前に日本代表を倒した監督と再び相まみえる。しかし、堂安は3年前とは違う。もちろん、その成長ぶりを森保一監督も評価しているはずだ。一時は代表メンバーから外れるほど序列は下がってしまったが、フライブルクでの活躍に比例するように、日本代表での立場も再び上げてきた。

「森保さんとは、僕や(南野)拓実くんがたぶん一番長いし、東京オリンピックを入れたら冨安(健洋)も長い。あんまり多くを話さなくても何を求めているか、何を気にしているかはだいたい分かる。そういうのもふまえて、しっかりチームとして引っ張っていきたい」

 3年前に「救世主の働き」をした伊東が代表に戻ってきたが、堂安もまた期待に応える準備を整えている。「雰囲気もいいので、期待してもらえたらな」と自信を漂わせた。

(取材・文:加藤健一)

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【了】

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