海外日本人選手 最新ニュース
今夏、19歳の塩貝健人が横浜F・マリノスへの加入内定を解除してオランダのNECナイメヘンに移籍することが発表された。これまでも10代で欧州に旅立った日本人選手は多くいたが、その後のキャリアはどうだったのか。今回は、過去に10代で欧州に移籍した主な日本人選手を紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
MF:梅崎司(うめさき・つかさ)
【写真:Getty Images】
生年月日:1987年2月23日
移籍時期:2007年1月(19歳)
移籍:大分トリニータ→グルノーブル(フランス)
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梅崎司にとっての欧州挑戦は、実質4ヶ月で終了することになった。
2007年1月、当時19歳だった梅崎はリーグ2(フランス2部)のグルノーブルへ期限付き移籍を果たした。2005年に大分トリニータU-18からトップチームに昇格すると、2006年にはレギュラーに定着。10代ながら順調にキャリアを積み重ねる中でのフランス行きは、実に思い切った決断だった。
だが、梅崎は新天地で出場機会の確保に苦しんだ。加入後、リーグ戦で出場したのはわずか5試合のみ。付帯していた完全移籍のオプションも行使されず、2007年6月末の契約期間満了を前倒しして大分に復帰することになった。
グルノーブル在籍当時の梅崎は、チームメイトと比べても決して実力で引けを取っていたわけではなかった。むしろ、スピードとテクニックを兼ね備えたドリブル、質の高いクロス、サッカーIQの高さは他の選手より秀でていたと言ってもいいだろう。足りないものがあったとすれば、自身の価値をピッチ上で余すことなく表現するための“引き出し”の数か。経験から得られるパターンの集積地が少ないまま海外に飛び出したため、「こういう時にはこう対処する」という問題解決の処方箋を持っていなかったのだ。
日本帰還後、梅崎は浦和レッズ、湘南ベルマーレ、大分でプレー。37歳で迎えた2024シーズンも大分でプレーを続けている。長いキャリアの中でグルノーブル以外の欧州クラブに在籍することはなかったが、Jリーグでは確かな足跡を残していると言える。一見すると失敗にも見えたフランスでの挑戦は、梅崎の“引き出し”として昇華されていた。