14位:FC東京
監督:ピーター・クラモフスキー
順位:9位
成績:勝ち点38/得失点-3
強烈な両ウイング(WG)を武器に戦い続けるFC東京。彼らはオープンな展開を好み、刺し合い上等の試合を展開していくことが多い。WGを生かすためにサイドバック(SB)が早い段階で内側を取りながらセンターバック(CB)とセントラルハーフ(CH)の4枚でビルドアップの土台を形成していく。そしてここからWGに良い形で届けることができたときのFC東京の破壊力は抜群。またSBを内側に押し込みながら、横断をして逆のWGに仕掛けさせる攻撃も備えている。
一方で、その攻撃を繰り出すための前進が整理されていないことも事実。実際に28節の京都サンガF.C.戦はそれが顕著に表れてしまい、中央やSBの背後を明け渡してしまった。また、守備とトランジションの局面がFC東京を苦しめている印象だ。
守備ブロックとネガティブ・トランジションでは、CHの負担が大きい。守備ブロックに入るWGの背後を使われることが多いので、ここにCHがずれて対応を行わなければならず、中盤に大きなスペースを明け渡してしまい、最終ラインとCHで守る形になってしまう。ここにFC東京が不安定な原因があるだろう。浮上のきっかけを掴むためには、守備の再整理とトランジションを考慮しながら攻撃を仕掛ける設計が欲しいところだ。