「悔しさも感じますし、怒りもあります」
「チームの結果が出てきていることはうれしいんですけど、そこに自分が絡めていないところに悔しさも感じますし、自分に対して怒りもあります」というのが、今の素直な気持ちだ。
長谷川は大宮アルディージャのアカデミーを経て法政大へ。卒業した2021年、在学中から特別指定選手としてプレーしていたヴァンフォーレ甲府で、プロ入りを果たした。
甲府では1年目から主力選手として活躍して7ゴールを挙げ、J2で3位という成績に貢献した。ただこの年は新型コロナウイルス禍の影響により、J1昇格プレーオフは行われなかった。翌年は8得点を挙げたものの、チームは18位と苦戦。しかし天皇杯では優勝し、初のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得した。
そしてプロ3年目の2023年は10番を背負い、リーグ戦では勝負を分ける局面で仕留めきって7得点。ACLでの2得点も含め、決めた試合はすべて勝利へ導く活躍ぶりで、甲府の絶対的エースとして君臨した。だがリーグ戦は8位に終わり、J1昇格はつかめず。ACLのグループステージ突破を置き土産に、J1新潟への移籍を決めた。
ボールを持ったときのアイデアとテクニックに優れ、多くの勝利に絡んできた自負もある。キャンプでは、「自分に求められているのは数字だと思います。そこが去年の新潟に足りなかった部分だと知って加入しました」とコメント。昨季、決定力不足が課題となっていた新潟の力になる意欲に満ちていた。
だからこそ、今の数字を見れば、悔しさも怒りもわいてくる。初得点を決めた名古屋との再戦に向け、「チャンスがあれば、自分の得点で勝たせられたら」ときっかけをつかむ1戦にしたい思いは強い。