ポヤトス監督はどこまで許容して、内心はどう思っているのか
ボールを奪い返したあとも、得意のボール保持で試合の主導権を握ることもできれば、宇佐美を起点として、山下の単騎突撃など迫力のあるカウンターでフィニッシュまでたどり着くことも可能だ。ボール保持を基本とするチームだけれど、相手がボールを持つ時間を嫌がる素振りがないことは昨年から続くチームの特徴である。
このように得意な局面はあれど、ボール保持にこだわりすぎることはない。どの局面でもメンタルが揺らぐことなく、やるべきことに集中していることが、今年の成績に繋がっているのではないだろうか。
ボール保持によるゲーム支配を可能にした新戦力の存在が本当に大きい。ダニエル・ポヤトス監督のサッカーを実現するための選手を連れてきたフロントの動きが巧みだった。ボールを保持するサッカーの課題であるウイングにも質で勝負できるタレントを揃え、もっともスキルで勝負できる宇佐美が羽ばたける仕組みで試合に挑んでいることも大きい。
選手同士のポジションチェンジなどをポヤトスがどこまで許容して、内心はどう思っているのかは定かではない。確かに吹いている欧州の風と、自分たちらしさを発揮できるいい意味での妥協点を模索し、答えを見つけられるかどうかで、ガンバの未来は決まってくるのではないだろうか。完全な欧州化ではなく、ガンバユースから輩出されてきた個性の強い選手との融合で和洋折衷が成功するか、見守っていきたい。
(文:らいかーると)
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