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Jリーグ 3週間前

どこまで許容するか? ガンバ大阪が作った宇佐美貴史が輝ける仕組みと、ポヤトス監督が吹かせる欧州の風【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by らいかーると photo by Getty Images

WGをインサイド化した背景

 序盤から存在感を示した左ウイングのウェルトン、徐々にスタメンに定着してきた右ウイングの山下諒也は大外レーンで存在感を発揮できる希少な選手たちだ。しかし、8月シリーズの試合では内側に絞ったポジションを取らせ、大外レーンはサイドバックに任せるパターンが目立ち始めている。

 ウイングの内側への移動は、宇佐美貴史の解放にともなったゴール前の人員不足に対する解答であることも事実だろうが、ガンバらしさを表しているようにも感じる。ガンバのビルドアップは、中央のセントラルハーフの舵取りによって相手に歪みを発生させることが多い。

 ウイングの内側ポジションは、この中央からのズレを相手陣地でも行おうと画策しているようにも見える。サイドバックを上げ、ウイングを絞らせれば[2-2-5-1]のようになるし、トップ下の選手が2トップのように振る舞えば、[2-2-4-2]のようになる。

 ビルドアップ隊が4枚に対して、フィニッシャー隊が5枚、+1として宇佐美が控えている形をデフォルトとする。ただし、宇佐美も常にフリーマンとして振る舞っているわけでもない。ときには宇佐美が行っている相手のブロック手前の役割を他の選手が行うこともあれば、宇佐美の立ち位置によって、他の選手はフリーになっていることもある。

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