2位:サンフレッチェ広島
監督:ミヒャエル・スキッベ
順位:2位
成績:勝ち点52/得失点+24
サンフレッチェ広島はJリーグ屈指の完成度、いや、最も完成されているチームかもしれない。夏に野津田岳人、川村拓夢、大橋祐紀と主力が抜けたことで戦力的に厳しいと思われたが、トルガイ・アルスランと川辺駿の加入により、ボール保持の局面で新たな境地を開拓している。
背後を選択し、ゲーゲンプレスとハイプレスで相手を圧倒することが基本だったが、両者の加入、特に川辺の加入によって一気にボール保持が安定した。丁寧に相手を動かして押し込んでいく様は欧州のチームのようだ。またセンターバック(CB)の荒木隼人の成長もボール保持の局面が安定している大きな理由だろう。レベルの高いゲーゲンプレスの基盤が元々あるので、相手を圧殺することができるチームに仕上がった。
しかし、懸念点もある。リーグ、天皇杯、YBCルヴァンカップ、そしてAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)と、4冠の可能性を残している。ミヒャエル・スキッベ監督はローテーションをしない傾向があるので、主力の疲労と怪我が心配なところで、サブ組の底上げは確実に必要だ。その中でも広島らしく18歳の中島洋太朗や17歳の井上愛簾の台頭、越道草太の覚醒などチームに勢いを増す要素も多くある。怪我人の復帰とサブ組の底上げが叶い、過密日程をうまく戦い抜くことができれば、国内3冠とACL2のグループステージ突破のチャンスも生まれるだろう。