5位:鹿島アントラーズ
監督:ランコ・ポポヴィッチ
順位:4位
成績:勝ち点48/得失点+10
鈴木優磨を中心にチームを作り上げている鹿島アントラーズ。彼が攻撃の構築に絡みながら、まず狙うべき背後のスペースを名古新太郎と仲間隼斗が積極的に狙っていく。これで発生したトランジションにセントラルハーフ(CH)をぶつけていくことで、相手を押し込んでいく。また左から右への対角のパスと同サイドの奥を取る攻撃構築は対戦相手を確実に苦しめていた。右サイドの濃野公人と師岡柊生の崩しのコンビも十分に脅威となっている。
しかし27節の浦和レッズのように対角を意図的に潰してくるチームや、最終ラインに5枚を並べて対角のスペースを消してくるチームに苦戦している傾向がある。植田直通の成長によって柴崎岳が崩しに入る回数が増えたのは良い傾向だと思う。しかし、バイタルエリアの崩しを搭載し切れてない分、ここで引っ掛かるとネガティブ・トランジションが機能しにくく、センターバック(CB)が晒される回数が増えてしまう。
この文脈で苦しんだのが27節の浦和レッズ戦で、これを参考にしてくるチームは増えるだろう。だからこそバイタルエリアの崩しを搭載したいところ。また先発メンバーとベンチメンバーの差も埋めたいところだ。バックラインのメンバーと鈴木優磨あたりに疲労の色が見えるのは否めない。体力を温存するためのボール保持やバイタルの崩し、ベンチメンバーの押し上げ。この辺りが揃ったとき、久方ぶりのリーグ優勝が視界を捉えてくるだろう。